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ペンコミュニティセミナーリポート

ペン入力コミュニティ第2回セミナー報告

「タブレットPCを活用した授業ってどんなのだろう?」
「どのようにして子ども達にしっかりと学ばせているのだろう?」

ペン入力コミュニティの第2回セミナーは、2008年3月1日、東京大学のIT活用型協調学習空間「駒場アクティブラーニングスタジオ」(駒場キャンパス)で開催されました。前回のセミナー要望のあった、教育現場での活用の取り組みについての特集でした。
タブレットPCやUMPCは、昨年、様々な学校教育現場で可能性が検証され、学力に対する有効性が示されてきています。今回は大規模なタブレットPC活用を進める和歌山市と、体育など様々な教育場面でタブレットPC活用を進める岡山県から現場の先生、および推進・指導する先生方から、どのように活用されているのかについて報告があり、議論を深めました。

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1. 「和歌山市におけるICT活用による学力向上プロジェクト(Wプロジェクト)について」
和歌山市教育委員会和歌山市立教育研究所 専門教育監補)角田佳隆 先生

 和歌山市はマイクロソフト社と共同研究をしており、小学校52校+分校3校のすべての小学校に合計1300台のタブレットPCを導入しています。またウィルコムのPDA(W-ZERO3)やギガバイトのUMPCなどのペン入力デバイスの導入も積極的に行っています。
「なぜタブレットPCなのか?」
タブレットPCをペンコンピュータと読み換えてもよいと思いますが、これはもっとも基本的で重要な問いかけです。角田先生によりますと、小学生は高学年でもキーボードが苦手とのこと。小学校で教えるべきはITリテラシーよりもむしろ意見をまとめる、発表する、といった活動であり、それを重視するためのタブレットPCとのことです。また、子供によって習熟度に差があるのは仕方の無いことであり、電子教材によりどんどん進められる子供は自分で課題を進めてもらい、その分苦手な子供のそばに教師がいてあげられる時間を増やすことで、全体の学力を向上させることができる点がICT教育のよいところだとのことです。

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2.「和歌山市立有功東小学校での実践」
和歌山市立有功東小学校)本岡 朋 先生

 OneNoteとTablet PCを用いて「考えるノート」を実現する実践の報告でした。デジタルノートを使うと、
・情報を整理しやすくなり、子供の気づきが深まる。
・ 友達と知識を共有し、深めあうことができる。
という点が有効であるそうです。
その後デジタルノートについて具体的にどのような機能が教育において有効であるかを、一つ一つ丁寧にご紹介いただきました。このペン入力コミュニティは研究者、企業、ユーザが一同に会しペンコンピュータについて議論する場であるため、このような報告は大変貴重であり、開発者側と利用者側の意識の相違を埋めていく上で不可欠なプロセスであると思います。
(個人的に興味深かったのは、子供たちはニンテンドーDSの通信機能に慣れているため、PC同士を接続するネットワーク設定をそれほど苦もなく行える、という報告です。)

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3. 「タブレットPC,PDAを活用した授業支援 -14の活用事例から-」
岡山県総合教育センター情報教育部 指導主事)小林朝雄 先生

 岡山県でもICTを用いた教育の普及に力を入れていますが、教師を対象にしたアンケートによりますと、環境の不備を理由にICT導入を未実施としているケースが多いことがわかりました。一口に「環境の不備」といってもさまざまで、ハードウェアがない、ソフトウェアがない、ネットワーク環境がない、などは想像がつくのですが、意外と門外漢が見落としがちなのが「休み時間の間に次の授業の準備が終わらない」という点ではないでしょうか。また、教師は授業中に黒板やコンピュータの前にずっと立っているかというとそうではありません。ICT機器のセットアップの簡便性とポータビリティがとても重要な要素になります。
 小林先生は、
・ 従来授業との相性の良さ
・ 携帯性
という点を軸に、さまざまなデバイス・ツールを用いて県内の学校で行ったICT活用実践について報告してくださいました。ICTが便利だといっても、授業の設計をうまく行わないと無用の長物になってしまいます。かといって多くの教師の皆さんは「何がICTでできるのか」というところがピンとこないのも事実です。
・授業モデルを増やすこと
・教師が実際に授業で体感すること
・ 学習のねらいが前提である(ICTは従である)こと
これらがICT普及の上でのポイントとのことです。

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4.「岡山市立操明小学校での実践」
岡山市立操明小学校)後藤和重 先生

 後藤先生は、体育の授業にICTを導入した具体的な事例の報告をしてくださいました。ご紹介いただきましたアンケート結果によりますと、体育におけるICT活用は33%と、それほど高くないのが現状です。後藤先生は「ディジタル作戦板」というOneNoteを活用した体育授業を展開し、ポートボールという球技において、技術の習得、作戦会議、試合の記録、試合の振り返りなどを子供たちが主体的に、かつコミュニケーションを深めながら行えるシステム(といってもいいほど作りこまれたコンテンツ)を開発し運用しました。
 算数や国語などの科目に比べて体育はICTの導入が難しいのでは、とお考えの方もいらっしゃるかもしれません。しかし例えば体操や球技の技術など、直接視覚的に見せることが何よりも効果が高いような対象の場合、ICTマルチメディアコンテンツの活用が非常に効果的であるようです。子供たちは何度も動画を見返しながら、あれこれ友達と議論しあい、研鑽していくことが可能なのです。

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5.その後のディスカッション
 その後参加者全員により、講演してくださった教育現場の皆さんへ質問を行い、また相互に意見交換を行いました。何がいまツールに求められているのか、著作権はどのように対応しているのか、教師へのICTスキル教育はどのように行っているのかなど、予定時間をオーバーするほどの活発な議論が交わされました。