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第3回セミナー:陰山英男先生からのメッセージ 事務局 2008/07/14

講演によせて


教育へのICT機器活用への本格的な動きが、ここに来てようやく広がってきたように思われる。私のかかわっているところでも、和歌山市や京都府八幡市、山陽小野田市など、導入が進んでいる。


なぜ、今なのか。私は、それがパソコンの能力がようやく学力を高めることのできるレベルに達したことが一番の理由だと考える。具体的に言うと、ペン入力の実用化である。


MS−DOSの時代から、私も授業へのパソコン活用を模索してきていた。いろいろ話題にしていただいた兵庫県の山口小学校だが、私がそこに赴任したひとつの理由は、当時としては珍しく、自由に使えるパソコンがあったからだ。そして、山口小学校に赴任すると同時に、私も50万円かけてパソコンを買った。


だが、その意欲とは裏腹に、当時の結論は、授業でのパソコン活用はまだ無理だというものだった。なぜなら、学習ツ−ルとしてパソコンは鉛筆とノ−ト以下だったからだ。大きな機械で立ち上げまで時間もかかり、学習にとってもっとも重要な「書く」という作業ができない。正直なところ、当時のパソコンはやっかいなお荷物でしかなかった。ただ、デ−タ処理をしてグラフを自在に作ることができる画期的な道具だったので、大活躍したのが生活習慣アンケ−トの処理だった。当分はこうした事務処理の道具として活用し、文房具として本格的に使える段階まで待とうと思った。パソコンはとんでもない金食い虫でもあったからだ。


私は、パソコンが授業活用されるようになる条件を、紙よりも使いやすくなることと安くなることと考えた。中でも、ペン入力が自在にできることがもっとも重要な条件と考えた。


そして、それまでの間は、紙でできることを最大限追求した。いつかは、パソコンが学習道具として中核となる日がくると思ったが、それまでに準備しなければいけないことは、基本的な教育技術そのものだと考えたからだ。


学習用パソコンは優れたパソコン技術と優れた教育技術が、きれいに融合されてこそ、真価を発揮する。だから、その日のために教育技術を磨くのである。ただ、学力作りにこだわった実践から出てきた結論は意外なものであった。


その結論とは、子どもを伸ばすのにもっとも有効な方法は、「限られた内容を、単純な方法で、徹底的に反復すること。」だったのだ。これは、まさしくパソコンのもっとも得意とすることである。だが、ドッグイヤ−と言われるパソコンの進化にあっても、なかなかその段階は来ない。その間に、学力低下問題が提起され、私は忙殺される。いつしか、パソコンのことは、頭の中から消えていた。


やがて、運命のイタズラもあり、その後私は尾道市立土堂小学校の校長となる。その実践に悪戦苦闘する中、あるICTメ−カ−がペン入力の新しいエンジンをたずさえて私を訪ねる。これによって、しばらく眠っていたパソコン熱がよみがえることになる。


私は説明を一通り聞いたが、当時はそれどころではなかった。しっかり聞いていなかった。だがその翌日、朝目覚めたとき、その説明を思い出しながら、いきなりひらめいた。ペン入力ができ、通信ができ、しかも小さいという学習用パソコンをイメ−ジしたとき、それを中核とした教育全体のシステムが一気に思い浮かんだ。


教育機器としてICTを導入しても、私は費用を上回る成果を上げるのは難しいと考えている。教育技術と融合し、さらにシステムとして機能してこそ、意味がある。


このサイバ−エデュケ−ションシステムなるものの可能性についてお話ししたい。


いろいろあったが、私にとってこのシステムの構築は、自分にとって最後にして最大の挑戦だと思っている。


Copyright © 2008 陰山英男 All rights reserved.


加藤研究室での取り組み:ペン入力と教育 加藤直樹 2008/02/27

工学系から教員養成系の大学に移り,ペン入力関連でおもしろいことをなかなかできずに時が過ぎていたのですが,はじめて指導を担当した卒論生がペン入力関連の研究を形にしてくれたので,それを紹介させていただくことにします.


■覗き見できる電子ノートシステム
生徒がTablet PCなどのペンPCをノートとして利用する学習環境において,他人のノートを覗き見できるようにしてみようという試みです.一斉授業では演習時間が必ず設けられます.演習時間は,自ら考えて問題を解くなどの行為によって,先生から教授された知識を定着させることが目的です.しかし,生徒の中には,手を動かすことができず無駄に時間を過ごしてしまう子もいます.そのような子は,取りかかり方がわからない場合が多く,ちょっとしたヒントを与えたり,途中まで解き方を導いてあげたりすると,手を動かせるようになります.このような補助は机間指導時にしてあげるのですが,手が回らないこともしばしばです.となりの子に相談するという習慣を育てるのも大切なのですが,そういうことができない子もいます.そこで,せっかくノートが電子化されていて,その内容の転送も容易なのだから,他の子のノートを見られるようにすればいいじゃん!というのがこのアイデアです.
ここで,だれでもいつでも他の生徒のノートでも見られるようにするのには問題があるでしょう.どの生徒にどの生徒のノートを見せるかは,先生の判断が必要であり,その判断は授業運営における重要な点です.そこで,先生が手元のPCでその指定を行ったときのみ,指定された学生のノートを指定された学生が覗き見できるようにしました.また,見せたいノートを書く生徒の解答ペースは速いことが多いので,見せる部分を限定したいことがあります.そこで,タイムバーで容易に見せる部分の筆記時間帯の指定や編集を行えるようにしました.覗く側の生徒は単純にノートを見るだけでなく,ペンPCの特徴的機能である筆記再生機能を利用できるようにしました.解答の筆記状況を見られることについて,三浦らは,“筆記再生によって,他の生徒の解答をより深く考えたり,自分の解答と比較したりする様子が観察された”と報告しており[1],学習によい効果があると思われます.一方,覗かれる側の生徒にとっては,認められる感覚を得られることから学習の動機付けが期待されます.さらに,見られることの意識が強くなると,他人が見てわかる解答を書こうと努力するようになり,理解が深化する効果も期待できます.
この研究開発はまだ始めたばかりで,お恥ずかしながら,上に書いたような教育的効果を検証できていません.きちんと効果を検証するためには,実際の教育現場での実践が必要なのですが,このコラムコーナーでも紹介されている青学大や3/1のセミナーで紹介される和歌山市の小中学校のようなペンPC環境が私の身近なところにはありません.もし,この研究の実践に興味が持たれた方がいましたら声をかけていただけるとうれしいです.


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■筆記過程を記録した連続静止画像からのインクデータの生成
Table Top Computerの研究を最近よく目にします.Table Top Computer=ペン入力ではありませんが,ペン入力を採用しているものも多くあります.リコーのInteractive Station[2]は,たとえばMicrosoft Wordを起動しておき,表示・入力面にマジックペンで筆記すると,その筆記をWordに貼り付けることができます.この製品の特徴は,入力動作が単にテーブル面にマジックペンで書くことであるため,複数人で同時に筆記できるという,従来のペン入力機器で課題であった同時複数入力を可能にしている点です.一方で,筆記のコンピュータへの取り込みはカメラによる動画か静止画であるため,筆記データに対する処理の自由度は低くなってしまっています.そこで,筆記の過程を撮影した連続静止画像から,ペン入力タブレットなどから取得できる筆点列(インク)データを生成して,様々なオンライン手書きパタン認識処理を施せるようにしてしまおうというのがこの研究です.
連続静止画像の撮影速度が筆記の速度に対して十分速ければ,画像の差分をとることでこの目的を達成できますが,撮影間隔が長くなるとその方法は使えなくなります.考案した手法の一つは,(1)最終画像から端点や曲がりの強い点など特徴的な点を抽出し,(2)連続静止画像の最初の画像から順に抽出した点が含まれているかを調べ,筆記された順番を推測する,というものです.特徴点の抽出方法や,一枚の画像にはじめて含まれる点が複数あった場合の順番付けなど,まだまだ探求すべき課題は多くありますが,30fpsで撮影できることを前提とした場合,ひらがなであれば,Microsoftの文字認識エンジンで95%以上の認識率を達成しており,実現の可能性を示すことができたと思っています.


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■ペン入力機器を教育の道具にするためには
教育分野はTablet PCや電子白板などのペン入力機器の適用分野として昔から取り上げられてきました.おそらく,書くことが教育活動の多くの時間を費やすことや,書く活動自体が教授や学習に重要なことと考えられているからでしょう.私もペン入力を採用した教育環境の研究開発をいくつか行ってきました.前述した一つ目の研究はまさしくこの分野ですし,二つ目の研究で扱ったTable Top Computerも教育への利用が期待されています.ところが,実際の教育現場では,なかなかペン入力機器を見かけることがありません.見かけたとしても埃をかぶってことが多いのが現状です.電子白板はコンピュータ教育開発センター(CEC)や各メーカの努力で知名度も広がり,普及も進みました.しかし,すべての学校のすべての教室への配置には程遠い状態です.ペンPCを生徒に使わせる環境にいたっては,富士通による三木市での試みや先にも示した和歌山市の例を除けば皆無に等しいものがあります.教育のための道具は,その道具が向いている場面で利用できればよいのですが,使いたいときにはいつでも使える存在,特別な道具と意識しない存在である必要があります.また,どこの学校でも利用している,利用できることも重要です.ペン入力機器の有用性が見直され研究開発や実践研究が活発になりつつありますが,ペン入力機器を上記のような存在のものにしていかないと,研究成果も絵にかいたモチになりかねません.文科省の号令で進められていた校内LANの整備さえままならない状況で,ペン入力機器の整備などとてつもない難問です.しかし,教育をターゲットとしてペン入力関連の研究や開発を行っている者は,解決に向けてなんらかの行動をとっていくことも必要なのではないかと思います.


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[1] M. Miura, S. Kunifuji, and Y. Sakamoto: AirTransNote: AnInstant Note Sharing and Reproducing System to Support Students Learning, Proc. of ICALT2007, pp.175-179, July 2007.
[2] 新西, 伊賀, 桜井:Interactive Station:デジタル情報に手書きできるテーブルトップコンピュータ, HI2007論文集, pp.245-248, 2007.
※加藤研究室Webサイト:http://www.u-gakugei.ac.jp/~naoki/


東京大学マイクロソフト寄附研究部門の取り組み:タブレットPC用ソフトウェアを使った教養教育 望月 俊男 2007/12/04

東京大学では,マイクロソフト株式会社の寄附を受けて2006年度から3年間,高等教育支援のためのソフトウェア開発を行っています.現在,2つのソフトウェアを公開し,東京大学の授業などで実験的に利用しています.今回のトピックでは,このソフトウェアを簡単にご紹介します.


■NHKアーカイブスの映像を探索・視聴・関係づけるソフトウェア「Video Explorer」

 NHKアーカイブス(http://www.nhk.or.jp/archives/)には,環境問題,学力問題,技術革新,政治情勢,世界情勢などの様々な領域の知識が眠っています.MEET Video Explorerは,この多様な映像を視聴して,環境問題や,学力問題,技術革新などの社会的事象が,各国・各時代で,どのように語られているのかを整理することができるソフトウェアです.
学生は映像を視聴しながら,その映像の代表画像を使ってマップ上に関係図を作っていきます.そうすると,映像で語られていることに対する自分の疑問や,映像では知ることができた点/できなかった点ことが整理できます.こうした活動を通して,次に何を調べていくべきか,関心の焦点化を支援していきます.


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■電子的文書を使って批判的読解力を育成する「eJournalPlus」
 問題関心を焦点化する上では,映像だけでは事足りません.様々な文献を読み込み,映像で焦点化した問題意識を,さらに明確なものにしていく必要があります.
 MEET eJournalPlusは,電子的文書からマップを作成することができるソフトウェアです.本に線を引いたり、読みながらノートに自分の考えをまとめるのと同様の学習ができます.タブレットPCのペンを使って,電子的文章に線を引くとともに,線が引かれた部分からドラッグ&ドロップでマップ上に貼り付けて,構造図を作ることができます.論点と論拠の論理的関係を整理するだけではなく,自分の意見も構造図中に記載することができます.最後には,できあがった論点マップと,そこに関連づけられた自分の意見をもとに,レポートを執筆することができます.

  
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■全学自由ゼミナール「映像と文献で見る学力論」
 マイクロソフト先進教育環境寄附研究部門では,実証実験の授業として,東京大学教養学部の1,2年生向けに「全学自由ゼミナール」を開講しています.この授業では,様々な時代や国で学力がどのように考えられてきたかを,NHKアーカイブスの50年の映像クリップをもとに視聴し,学力のあり方について議論しました.
その後,eJournalPlusを活用して学力問題に関する基本文献を読んでいきます.映像と基本文献の関係を整理して,現在議論されている学力論の論点と,論争のポイントを明らかにしていきます.

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ペンを使って考えを整理する上で,コンセプトマップと呼ばれる思考の整理方法は,とても親和性が高いものとなっています.大学生以上に求められるような高次の分析的推論力や発想力を支援する上でもコンセプトマップは有効であり,映像や文章など多様なメディアの学習リソースを構造化することで,学生の知識構築・創造力を育むことができると思われます.
12月上旬現在,まだ授業を行っている最中です.学生さん達が映像や文献をもとに「学力論」という魑魅魍魎(ちみもうりょう)な言説を分析して,それぞれの立場から「学力とは何か」ということを真剣に考えているところです.
【参考URL】
http://mainichi.jp/life/electronics/news/20071130mog00m100081000c.html
http://journal.mycom.co.jp/news/2007/12/01/001/index.html
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20071203/288650/
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20070215/262183/


任研究室での取り組み:ペンによる操作技法 任向実 2007/11/01

ペンインタフェースの研究内容も多岐にわたるが、それらの分類として、ペンをどんな目的に使用するかという視点がある。ペンを用いる目的は、書(描)くこと(writing or drawing)、指すこと(pointing)、操ること(manipulation)に大分類できる。書(描)くことは文字どおり文や絵などを書(描)くことを、指すことは空間上の点(または表示された対象)を指定することを、操ることは空間上で指定された対象に操作(移動、変形など)を加えることを意味する。本研究室の近年の研究の一部は、ペンで指すこと、操ること(以降、ペン操作技法と呼ぶ)である。


現在、市場の多くのペンアプリケーションは単なるキーボードとマウス用の操作法をそのまま流用しているため、ペン入力自身の対話モデルは従来のGUI (Graphical User Interface)用の WIMP (Window, Icon, Mouse/Menu, Pull-down Menu/Pointer) インタフェース程度にとどまっている。そのため、ペン操作技法に関する研究は文字認識・スケッチの研究に比べてそれほど行われていないのが現状である。


そこで、我々のグループでは、ペン入力の優位性と直接指示、直接操作という特長、特にモバイル環境など)を生かした、様々なペンによる操作技法を研究している。


■ZWPS:ペン入力システム画面上の(とても小さい)ターゲットを迅速かつ正確に選択する方式
ペン・デバイス(例えばTablet PC)は、指や電子ペンを用いることで直接的にターゲットの操作が可能である。ターゲットが非常に小さいとき、特にピクセルレベルのターゲットの選択を電子ペンや指で指示することは困難である。現在のアプリケーション(例えばPhotoshop等)は、この問題を拡大表示して選択するという手法にて解決している。具体的には、デジタル地図にある点(例えば鉄道の駅)からもう1つの点(例えば大学)まで正確な線を描画する場合、ユーザは、ある点近くをクリックすることで地図を拡大表示し、始点となるポイントをクリックする。そして、もう1つの点を見つけるために縮小し、もう1つの点近くをクリックすることで再び拡大表示し、終点となるポイントをクリックする。最後に両方の点を見るためにさらに縮小する、といった操作が必要で、これらはすべてユーザに大変な手間をかけることになる。さらに拡大操作は、ユーザが詳細な場所を見失う可能性も秘めており、この拡大と縮小の切り替えはユーザの集中を妨げることにもなる。
そこで、我々はペン入力システム画面上の(とても小さい)ターゲットをペンで選択する方式「ZWPS」を考案した(図1)。ZWPSのアルゴリズムは、ペン先の圧力情報を利用し、ターゲットが小さいとき、ペン先を中心にしたある一定の範囲内のターゲットを拡大させ、ターゲット上でペンを離すことで、ターゲットを選択するという仕組みである。


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図1:ZWPS


■Rubber-Line-Sweep、Line-String、Coupling with Pressure:複数のターゲットを選択するための手法
現在、GUIにおける基本的なコンピュータ操作の選択タスクは、単数のターゲットを選択するタスクと複数のターゲットを選択するタスクを含んでいる。単数のターゲット選択は一般的にタップによって実行される。複数のターゲット選択は、Rubber-band boxを使用して選択されるのが一般的である。Rubber-band boxの動作を図2cに示す。Rubber-band boxは長方形の領域をドラッグにより斜め方向に拡張することで選択する。長方形の領域にあるターゲットは選択状態にあるため強調表示される。Rubber-band boxの明らかな欠点は長方形の範囲に含まれないターゲットの選択が困難であることである。さらに、Rubber-band boxは長方形の領域から望まないターゲットを除外することがさらなるクリック、タップ、及び他の操作なしでは不可能なである。そのため、不規則に配列された複数のターゲットを選択するときは、ユーザは“Ctrl”キーとRubber-band boxを同時に使用して様々な選択タスクを実施することがある。こうした理由により、Rubber-band boxは複数のターゲット選択におけるユーザのパフォーマンスに制限をかけている。
そこで、我々は複数のターゲットの取得効率を高めるために3つの新しい線をベースにした手法(Rubber-Line-Sweep、Line-String、及びCoupling-With-Pressure)を考案した。Rubber-Line-Sweepは“直線型”選択技法(図2a)、Line-Stringは“自由曲線型”選択技法(図2b)である。これらの手法で、不規則な配置の複数のターゲットを選択するためにRubber Lineやストロークを使用する。さらに、操作能力と柔軟性を向上させるために2つの選択手法を合わせた手法Coupling with Pressureも提案した。Coupling with Pressureのアルゴリズムは、直線型選択技法(図2a)と自由曲線型選択技法(図2b)の両者を、ペン先の圧力情報を利用し自由に切り替える機能をもち、選択対象となるターゲット群の配列に合わせた操作法で選択操作を行うという仕組みである。これらの3つの手法は、従来のRubber-band box法(図2c)より、不規則に配列されたマルチターゲット群を柔軟に選択できる。


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図2:(a) Rubber-Line-Sweep、(b) Line-String、(c) Rubber-band box


以上の操作技法は以下のホームページでビデオをご覧になっていただけます。これからも関連の成果をホームページに公開していきますので、ぜひご覧ください。
http://www.info.kochi-tech.ac.jp/ren/PenProject/


余談:
この研究提案は、本年3月にすでに情報処理学会学会誌に投稿し、12月の特集に掲載される予定です。査読者から、我々のideaはBaudischらのidea(http://research.microsoft.com/displayArticle.aspx?0rc=n&id=1709)に非常に似ているが、我々の提案は面白いとコメントをいただきました。投稿はBaudischらの論文が5月に出る前でした。実はこの仕事は2006年3月締め切りのACM UISTという国際会議にも出しました。結局不採録でしたが、われわれのidea自体にはreviewer 全員からよい評価いただきました。


タブレットPCの大学教育での利用 望月 俊男 2007/10/20

タブレットPCやNintendo DS等の教育利用は,主に小中学校のものがよく知られているが,大学でも近年タブレットPCを利用した教育環境が増えつつある.ここでは,先進的な3つの取り組みをご紹介したい.いずれも協調的な学習空間を創る取り組みである.


青山学院大学 E-306教室(相模原事務局 藤森公夫)
青山学院大学E-306教室は相模原キャンパスにおける新しい教育スタイルの一つの形です。机が円形に配置されていることからコロシアム教室とも呼ばれ、壁面には四機の120インチプロジェクターを設置し、机上のTabletPCにはコラボレーション機能を持つ青山学院大学独自のアプリケーションを導入して既存の教室とは異なった授業環境を用意しています。教員と学生との距離を近いものにするコンセプトも含まれており、プレゼンテーションやグループディスカッションなどで活用されています。


詳細の記事
http://plusd.itmedia.co.jp/pcupdate/articles/0409/27/news017_2.html


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(左)教室全景                
(右)教室管理ソフトウェア:学生の画面をモニタできる
IT media +D PC USERより転載(許諾済)


関西学院大学情報メディア教育センター(武田俊之)
関西学院大学情報メディア教育センターでは、ワークショップ型の情報教育やグループワークを重視する演習科目に対応するために、2004年のシステムリプレースにおいて第1PC教室を改修した。可動式机とフリーアクセスの床を備えた30人定員の教室ではTablet
PC、無線LANが利用可能である。プロジェクタは3面設置しており(さらに貸し出し用のプロジェクタを用意)、複数のグループで同時にプレゼンテーションすることができる。
残念ながら今のところTablet PCの利用法は少し便利なノートPCの域を出ていない。しかし、学生が自然にペンを使いこなす様子を見ていると、グラフィカルなインターフェースを持つ協調的な知的作業を支援するソフトウェアの研究と開発をすすめていく意義をますます感じている。


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東京大学 駒場アクティブラーニングスタジオ(西森年寿,望月俊男)
東京大学では,駒場キャンパスに初のIT支援型協調学習空間「駒場アクティブラーニングスタジオ(KALS)」を開設した.グループワーク・メディア制作活動などの能動型学習に対応するために、授業によって自由に机の構成を変えられるほか,タブレットPC やインタラクティブガラスボード、パーソナルレスポンスシステム,4面ワイヤレスプロジェクタなどのIT環境を必要に応じて組み合わせて利用できる.現在アクティブラーニングのための教育ソフトウェアの開発をMEET(マイクロソフト先進教育環境寄附研究部門)で行っている.また生命科学などを対象とした教育プログラム・支援システム等の開発を進めていく.


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INTERACT2007 報告記 栗原 一貴 2007/10/01

INTERACT2007は2007年9月10日から14日まで,ブラジルのリオデジャネイロで開催された.ラテンアメリカでの開催は今回が初めてである.成田空港からワシントンDC,サンパウロを経由しての,片道1.5日ほどもかかる私にとって最長のフライトとなった.


会場は風光明媚で有名なCopacabana海岸沿いのRio Othon Palace Hotelである.会場内からガラス張りの壁を隔てて海岸で日光浴やマリンスポーツに興じる人々を見ることができ,学会開催中もリゾート気分が漂う.カンファレンスディナーではシュハスコ(一言でいえば串刺し焼肉バイキング料理?)が盛大に振舞われ,ボサノバ,サンバ,カポエラ御一行の手厚い歓迎を受けた.Carioca(リオ人)は天衣無縫の陽気な人々と噂には聞いていたが,まさにカルチャーショックを受けるほどの明るさだった.


INTERACTは最近では隔年で開催されている国際会議であり,私は初めて参加した.29ヶ国から280人前後の参加があり,その比率はヨーロッパ,ラテンアメリカ,次いで北アメリカ,そしてアジアの順であった.内容や様式もどちらかというとヨーロッパ系の文化の香りが漂う.これについては後述する.


発表の主要な要素であるfull paperとshort paperの採録率はそれぞれ76/223 (34%), 35/109 (32%)となっている.ACMのHCI系学会が軒並み20%前後の低採択率となっている現状において,比較的チャレンジしやすい学会といえる.これは学会に単純な優劣をつけようという意思からではなく,自身の最新の研究成果をテンポ良く適切な場で発表する重要性からの考察である.特にHCI分野では「新規性」が論文の価値として極めて重要な位置を占めるため,非研究者がWebであっさりと最新技術を公開してしまう昨今,自身の最新の成果をその都度冷静に評価し,「ちゃんと戦えるフィールド」を選択することは死活問題である.その際,高低さまざまな採択率・影響力を有する学会が共存していた方が,戦略の幅が広がる.私のような若輩は,まだ特定の学会への帰属意識も,その学会での認知度も低いため,自分の帰属するべき場所を探す意味でも,また一貫した研究テーマでのテンポのよい発表を継続し当該分野での存在感,ひいては認知度を高める意味でも,多様な学界への論文投稿および参加をこれからも積極的に行っていきたい.この点については浅学のため,諸先輩方のご意見も伺いたいところである.


さて,INTERACT2007は3日間のテクニカルプログラムで100を超える発表を消化するため,3~5のセッションが平行に走るパラレルセッション形式で発表が進行する.参加人数に比してセッション数が多いため,会場によっては部屋がとても小さかったり,聴衆がまばらだったりといった事態が散見された.特にパネルセッションの裏番組のセッション(別会場で同時進行のセッション)は閑散とする傾向にあり,発表者には残念なことであったろう.学会の規模と論文採択率を管理することの難しさを垣間見た思いである.


このような過密スケジュールの中,キーノートは毎日あった.初日はUniversal Usabilityの提唱者であるBen Shneidermanが,最近のHCI研究の潮流を踏まえ,我々はscience 1.0からscience 2.0の時代へと突入したのだと宣言し,熱い(それほど肯定的でない)議論を呼んだ.すなわち,要素還元的に非現実的な研究室スタディを行う時代は終わり,今やethnographic, observational, situatedなスタディにこそ価値があるのだとのことである.またこのようなスタディでは,以下の点を重視して評価を行うべきとのことである.


■ multi-dimentional

■ in-depth

■ long-term

■ case studies


の4点である.確かに最近のHCI学会におけるこの手法による研究発表は勢力を拡大している.もちろんすばらしい研究も多いが,私の印象ではあまりに対象を特定・限定しすぎたために,得られた知見も汎用性に乏しく,「彼らの現場の複雑なニーズに応えるシステムを作るには,多様な情報メディアをうまく統合していかねばならない」といった漠然とした結論に留まるものがよく見られるように思う.それは社会学的にはおそらく重要な成果なのだろうと門外漢ながら推察できる.しかし,そもそもコンピュータシステムの開発および導入の必要性自体を論ずることなく,「彼らに役立つコンピュータシステムを構築するために」という枕詞をつけることでシステム開発系の研究者・デザイナーに警鐘を鳴らすことにどれだけの意味があるのかと思うことがある.


果たしてscience 2.0はこのような超極地的な知見(しかも解決策というよりべからず集的なもの)を集積することで,よく例として挙げられるWikipediaのような人類の知恵として息づいていくのだろうか.またそして果たしてそれは,研究者が研究活動として行うべきものなのだろうか.私は未だ静観している次第である.専門の方にお会いする機会があればぜひご指導いただきたい.


二日目のキーノートは開催国のブラジルのPUC-RioのClarisse Sieckenius de Souzaが講演した.通常HCIはシステムとユーザとの対話にフォーカスするが,それをシステムデザイナとユーザとの間のcomputer-mediated human communicationと位置づけて議論しようという試みと,そのような視点で研究を行ってきたSemiotic Engineering Research Groupの成果を概説的に語った.ブラジルは識字率が低いので,そのような地理的状況でのHCI研究は従来の北アメリカ・ヨーロッパ主導の方法論とは一線を画している.そこにこそ使命感を持っており,多様な文化背景に目を向けることが我々国際コミュニティが目指すべき方向性であると力説していた.私もまったく賛成である.(以前かな漢字変換についての研究がなかなか欧米で理解されず苦労した経験がある.)


対照的だったのが三日目のキーノートである.IBMのWendy Kelloggが講演した.IBMのSocial Computing Groupの活動概要報告といった内容だった.Social Computingは,「ユーザがユーザのためにデザインを行う」という新しいHCIの潮流であるという.酷評だが,プレゼンテーションとしては不親切なものだった.Social Computingの観点から「今アメリカで流行しているWebサービス」について論ずる場面が多かったのだが,概説的なスライドに対しひたすら早口で喋るスタイルであったため,それらに対し知識のない私には理解は難しかった.


英語を学ぶことと,アメリカの生活習慣や文化の知識を得ることは別である.我々は仕事上英語をマスターしなければならないが,それは対等にコミュニケーションできるレベルでよいはずである.アメリカで生まれ育ち居住している人間にしか分からないような特定の概念・固有名詞を国際会議の場で説明もなしに持ち出すのは怠慢・傲慢と言えよう.


会議を終えて.


今回の初めてヨーロッパ人主体の学会に参加するにあたり,アメリカ,ヨーロッパ,そして日本という文化と様式の違いについて考えずにはいられなかった.しかしそれは希望のもてる部類のものである.今まではアメリカ系の学会しか参加経験が無かったため,「違和感を感じるもの=アメリカ式=日本以外では常識のグローバルスタンダード」と諦観していた面もあったが,今回日本ともアメリカとも違う「ヨーロッパ式」を目の当たりにして,特にアメリカ式との違いを客観的にとらえることができ,「ああ,やはり世界にはたくさんの価値観が存在している,それでいいんだ」と感じることができたことだ.一番の大きな違いは,発表スライドの字が非常に小さく,そして議論が詳細に渡る点である.したがって短時間で発表内容の要点を理解することは難しい.時々スライドの字が大きくてホッとすると,それはアメリカ人だったり,その影響を受けた(我々日本人も含む)人種だったりする.それは一目見て内容を理解できるシンプルさを持っているが,おそらくそのために犠牲になった重要な詳細情報も少なくないだろう.「和」すなわちある面で謙虚と曖昧を重要視する日本人,少なくとも私は,そのような犠牲の上で単純化されたプレゼンテーションを堂々と行えるだけの気持ちの太さはないし,逆にどこまでも細かい議論をし続けるだけの論理的な根性を持たない.ただ,そのような日本人としてのメンタリティを,ちゃんと彼らの作法に則って英語で説明し説得できるだけのコミュニケーション能力と強さを修得したいと思うし,我々のその思想や主張が少なくともHCI分野が今向かおうとしている方向性に合致していると信じている.


やはり,そういった意味でも今回INTERACTがラテンアメリカ最初となるブラジルで行われたことに意義を感じた.また,それぞれの参加国がその国の文化特有の問題を取り上げるethnographicな研究が増えることは,分野として歓迎すべき潮流なのかもしれない.


次回のINTERACTは2009年8月24~28日の日程で,スウェーデンのUppsalaにて開催される.


最後に,現地の様子を写真で報告する.


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会場のホテルから眺めるCopacabana海岸.


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土曜の昼に食べる風習があるという,ブラジル料理・フェイジョアーダ.黒豆で様々な肉を煮込んだもの.二人分とは思えないボリューム.おいしい.


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キーノートの様子.


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ディナーでのサンバ御一行による歓迎.


PLT 2007 報告記 中川 正樹 2007/08/01

5月24,25日,イタリア・シチリア島のカターニアで開催されたPLT 2007 に出席した.今春,3月まで在籍したスペインからの日本政府留学生ナルシス・ロザノ君の修士研究をまとめたものであり,彼が発表できると良かったが,都合が付かなかったので,当方が出席した次第である.主催は,EUのプロジェクトを遂行しているカターニア大学の研究チームで,IEEE Computer SocietyとIEEE Technical Committee on Learning Technologiesが共催している.2件の招待講演の他は,講演件数が28件.参加者は60~70人ぐらい.


5月24日 学会初日


大学の造りも立派で,街路も大きい.もっと寂れたところかと思ったが全くの誤解.イタリア人の先生の話では,シチリアは米国企業なども進出し,経済成長しているとのこと.その理由は,大学生が多く,賃金も安いからとのこと.世界中で同じ現象が起きている.夜,バンケット.



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広場を挟んで,両側に大学.右側の建物を入って右の階段を上がって2階が会場



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会場への入り口と会場.壁は絵画で飾られ,椅子は革張り.


5月25日


午後に発表.その後,タブレットPC利用教育のハンズオンデモはシンガポールで経験済みのため,これを抜けて少し街を散歩.バロック様式の教会もある.そのころに,町の再興があったのかもしれない.夕方にホテルに戻る.夕食もとらずに寝てしまった.夜に目を覚ますが,そのまま寝た.



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大学広場のところで昼食.たこ,いかなごのような子魚,トマト,などとワインをとる.通りを眺めながらゆったりした気分.最後にカプチーノを注文.料金の18ユーロは高いが,観光料金なのだろう.



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海に向けて散歩.しかし,鉄道がさえぎって行けず.その手前に鉄道にそって通る道沿いで果肉がワインレッドのオレンジを買う.袋一杯まとめてしか売らないという.2ユーロというので,袋ごと買う.道沿いで1個食べて,戻って数えたら13個あったので14個の値段だった.


発表内容


発表タイトルを次に列挙する.若干のコメント付き.タイトルからだいたいはおわかり頂けよう.


Keynote address:
Deborah Tatar - Virginia Polytechnic Institute and State University
Practice into Theory: from Serious Work about Learning in Classroom Environments to Serious Questions about the Playful Nature of Control and Coordination in Computing


Kimberle Koile Kevin Chevalier at al.- MIT - USA
Supporting Pen-based Classroom Interaction: New Findings and Functionality for Classroom Learning Partner
タブレットPCに問題配信.解答収集.教育効果あり.


Roy Pargas - Clemson University , USA
Seeing Clearly Through Ink in Computer Science Courses
キーボードとタブレットのどちらかで解答.問題により善し悪しがある.


Adina Florea, Serban Radu - University Politechnica of Bucharest - Romania
Enhancing Pen-based Experiences with the Use of Concept Maps
生徒がコンセプトマップを書く.フリーハンドか図形エディタのどちらも使える.


Sanna Vahtivuori-Hanninen - Helsinki University - Finalnd
Pedagogical Models in the Mobile Teaching-Studying-Learning (TSL)
Environments: Some Preliminary Findings of the I-Trace Project


Christine Alvarado - Harvey Mudd College - USA
Michael Lazzereschi - Pomona College - USA
Properties of Real-World Digital Logic Diagrams
認識して,シミュレーションして,正しいかどうか見る.


Hamdi Dibeklioglu - Bogazici University, TR
Metin Sezgin - University of Cambridge, UK
Ender Ozcan - Yeditepe University, TR
A Recognizer for Free-Hand Graph Drawings
ペンでグラフを書いて,ソフトキーボードで重みを入力するのが一番効率が良い.


Patrick G. T. Healey, Charlotte Boggis
Department of Computer Science, Queen Mary, University of London - UK
The Conversational Organisation of Drawing
デザインのための描画とジェスチャ・言語との関係のエスノグラフィー研究


Ulrich Hoppe, Matthias Hieronymi, Astrid Wichmann, Markus Kuhn Univ. Duisburg-Essen, DE
Pen-based Tools for Sudoku Solving - a Case for Representational Flexibility?
ネガティブな結果.


Nik Swoboda - Universidad Politecnica de Madrid - Spain
Pat Healey - Queen Mary, University of London - UK
Gonzalo Berrocal Noguerales - Queen Mary, University of London - UK
A Prototype Body Orientation Based Drawing System
モーションキャプチャを用いた複数人の電子ボードへの描画


Giancarlo Iannizzotto, Francesco La Rosa University of Messina, Italy
A Simple, Usable and Robust Solution for Pen-based Interaction on Projection Displays
プロジェクション・ディスプレイへのペン操作システム.CVの技術.


Dughall McCormick - Primary ICT Consultant, Kirklees LA, UK
Interactive Whiteboards in the Classroom: A Primary Teacher’s Perspective
英国の初等中等教育で,電子白板が使われている話.


Gary Boyd - Concordia University, Montreal, Canada
Pen-tablet Support for Better Learning Conversations


Charles Tappert, Jean Ward - Pace University - USA
Pen-Centric Shorthand Handwriting Recognition Interfaces
久しぶりにあえるかと思ったが,不参加.不参加はこれだけ.


Marilyn Reba, Barbara Weaver - Clemson University - USA
Tablet PC-Enabled Active Learning in Mathematics: A First Study
タブレットPC利用のクラスで,統計などの問題を出して,Message Grid という解答集計システムを利用.有意差はないが可能性あり.


Richard Mitchell
Humber College Institute of Technology and Advance, Toronto, Canada
PC-Tablets: The Next Dimension
数学教育利用.


Stefano Giordano, Gregorio Procissi, Stefano Lucetti - University of Pisa - Italy
On the Use of Tablet-PC for Personal Learning in a Wireless Campus Environment
タブレットPC.その話はあまりなく,講義ビデオのポータブルメディアへの配信などを話題に.


Mikael Sjoberg, Sofia Mattson, Annika Tengvall - Umea University, Sweden
Pen-based Computing in Distance Education ? the Pharmaceutical Science Programme in Sweden
ビデオとデジタルインクによる講義収録と配信.容易で効果的.


Paul Oka, Jane Prey - Microsoft Research - Cambridge - UK
Overview of an Industry/Academia Partnership for Furthering the Advancement of Pen-based Technology in Research and Education
シンガポールと同じと思って,ここから町の散策.


Keynote address:
Patrick Olivier - Culture Lab, Newcastle University - UK
Expressive Interactions


Brian Dean - Clemson University, USA
Dynamic Homework Annotation
採点の過程を生徒が再生.生徒は先生が横にいる感じ.


Roy Pargas, Melanie Cooper, Calvin Williams, Samuel Bryfczynski
Clemson University, USA
OrganicPad: A Tablet PC Based Interactivity Tool for Organic Chemistry
化学式の入力・採点に利用.


Mauro De Donatis - University of Urbino “Carlo Bo” - Italy
Earth and Environmental Sciences:Field Classes with GIS/GPS and Tablet PC
野外調査にタブレットPCを活用


Narcis Lozano, Hirosawa Koichi, Masaki Nakagawa
Tokyo University of Agriculture & Technology - Japan
Paper Architecture and an Exam Scoring Application


Daniela Giordano, Rosalia Leonardi - University of Catania, Italy
Integrating Digital Pens and Paper in a LCMS for Rapid Learner Assessment
デジタルペンによる解答とLMSとの統合.


Luciano Seta, Giuseppe Chiazzese
Istituto tecnologie didattiche, Palermo, Italy
Pen-based Tools for the Creation of Handwriting Learning Content


Janet C Read - UCLAN, Preston UK
Children Using Digital Ink for Writing
子供の手書き.


Dorian Gorgan, Teodor Stefanut
Technical University of Cluj-Napoca, Romania
Graphics Annotation Usability in Learning Applications
ペンによる3次元物体表面へのアノテーション.


Steven Shaw - Concordia University, Montreal, Canada
Goran Kattenberg - EEDO corporation, Berlin, Germany
Pen-based Knowledge Transfer Techniques to Support Lifelong Learning in Large Scale Organizations


Jane Prey - Microsoft Research - Cambridge - UK
Joseph G. Tront - Virginia Tech - Blacksburg - USA
Tablet PCs in Higher Education & Research
シンガポールでと同じ内容と思って,海まで散策.


次回はベルリンで開催するとのことである.



指があるのにどうしてスタイラスがいるの? 和田 肇 2007/07/02
マイクロソフトリサーチのウェブページから、ペン・インク技術にかかわる面白い記事をご紹介します。 http://research.microsoft.com/displayArticle.aspx?0rc=n&id=1709からの抄訳です。興味のある方は本文にアクセスしてください。Knies 氏とBaudisch氏から翻訳と掲載への許可をいただきました。

マイクロソフトリサーチ 和田


指があるのにどうしてスタイラスがいるの? Bob Knies 

右手にコーヒー、左手にPDA; カフェイン漬けになっているシアトルでの典型的な風景。このイメージはほんとにそうなの?と疑うほど陳腐なものだけど、実際に街で周りを見回すと、なるほど、皆さんそのとおりやっている。でも、実際のケースでは、さまざまな奥深く幅広い現実的な問題があるようだ。どの場合でも、人間には2本しか手がないために、スタイラスは格納されたままで触りようもない。でも、人間は順応の怪物で、何が起こるかというと、親指をスタイラスの代わりに入力の道具にしようとする。さて、問題解決、かな???タッチスクリーンを活用してそういう芸当をしようとする人なら皆知っているが、親指や他の指は小さなディスプレーのピクセルを相手にするにはちと荷が勝ちすぎる。だから、コーヒーカップを置いて、ということになる…でしょう?ちょっと待って!というのはマイクロソフトリサーチの研究者、Patrick Baudisch。Baudischは彼のインターンだったDan Vogelとともに、Shiftという指をベースにするモバイル機器操作用の正確な入力技術を考案した。 この研究はShift: A Technique for operating Pen-Based Interfaces Using Touchという論文に発表されている。その論文は4月28日から5月3日までカリフォルニア州サンディエゴ市で開催されたCHI:conference on Human Factors in Computing Systemsで発表され、最優秀論文賞を獲得した。

・・・(中略)・・・


(Shiftでは)ユーザがスクリ―ンに触った時、タッチスクリーン上の指が隠している部分を見せる小さな円がすぐ横に現れる。 この円内にはユーザが指の動きで操作できるポインタがある。このポインタが目的の場所にあれば、ユーザは指をスクリーンから離すことにより目標を選ぶことができる。

image001

ユーザの親指で小さな目標が隠されるような場合には(左), Shiftは 親指の上に 円形のcalloutを表示します(中央)。 必要ならば、calloutはスクリーンのどこにでも現れます(右)。


ちょっとした解法です。でも簡単で自然。そして Baudischが言うには、それは彼の研究の主要な関心の一つ。「私が今やっている大きなテーマを私はEscalationと呼んでいます。」 彼の説明によれば、「私はユーザはもっとも手近にあるが一番強力なものとは違う道具を使うと考えています。」

「あなたは多分スマートウォッチをお持ちでしょう。電話やPDAやデスクトップPCなどもね。確かに、誰もがすべてを持っているわけではないでしょうが、その一部は多くの人が持ってますね。でも、私たちは、その中で一番強力な道具をいつも使ってはいないのです。...... Escalationというアイデアは、もっとも手近な道具から始めて、それがうまくいかない時にもっと複雑な解決法にエスカレートする。私がやっている研究でいえば、(小さなものから始めて)次に大きなディスプレーにエスカレートするという意味です。」 ディスプレー(の大きさ)はEscalationの一つの方法だ。特に、小さなディスプレー用の道具では、簡単な利用法から複雑なものへの移動の例もある。 Baudischによると「Shiftはこの過程の一段階で、まずタッチデバイスとして使われ、それが失敗したときに、スタイラスを使用することを要求するのです。」

・・・(後略)・・・


CATE2007のお知らせ 事務局 2007/06/13

10月8日-10日に北京でCATE2007が開催されます。


The 10th IASTED International Conference on Computers and Advanced Technology in Education (CATE 2007)
  ■ Sponsors: IASTED, WMSF
  ■ Date: October 8–10, 2007
  ■ Location: Beijing, China
  ■ Registration deadline: July 22, 2007


Classroom Presenter 3.0 Beta リリース 事務局 2007/06/05

ワシントン大学は、授業でのプレゼンテーションやインタラクションを支援するタブレットPCアプリケーション「Classroom Presenter」のバージョン3.0のベータ版をリリースしました。


http://www.cs.washington.edu/education/dl/presenter/


CP3では、ワイヤレスネットワーク環境が強化され、パワーポイントの読み込み機能などが追加されました。


リリースノート


五十嵐研究室での取り組み:ペンでお絵かき&手書メモ 五十嵐 健夫 2007/05/31
image.png ペン入力の利点として、スケッチする感覚で手早く絵を描くことができるという特徴があります。我々のグループでは、この点に着目し、ペン入力を用いたコンピュータ上でのお絵かきを支援するための研究をいろいろと行っています。

図1は、手書の図形から平行・直角・等長・対称といった性質を推測して整形してくれるシステムです。

図2は、Teddyと呼ばれるシステムで、手書きで描いた輪郭線から自動的に3次元形状を推測してくれるものです。すでにゲームやPC用ソフトウェアとして実用化されています。この他にも、手書で描いた絵を変形することで簡単にアニメーションを作成することができるシステムの研究も行っています。一方、ペン入力のもうひとつの特徴である、キーボードを使わずに文字を簡単に書けるという点に着目した研究も行っております。

図3は、手書きメモを記録する道具として活用できるホワイトボードシステムです。自由に文字や図を書くことが出来るほか、自動整形や手書文字認識を利用した数式の計算などの機能も備えています。この技術を元にした手書ベースの電子カルテシステムの開発なども行っています(図4)。

これらの成果については我々のホームページで公開しておりますので、ぜひご覧ください。 http://www-ui.is.s.u-tokyo.ac.jp/~takeo

関連学会のお知らせ 事務局 2007/05/31

ペン入力に関連する学会で、今後開催が予定されているものをお知らせします。


Workshop on the Impact of Pen-based Technology on Education (WIPTE 2007)
・Date: June 11-12, 2007  
・Location: Purdue University, West Lafayette, Indiana, USA


Fourth Eurographics Workshop on Sketch-Based Interfaces and Modeling (SBIM '07)
・Date: August 2-3, 2007
・Location: University of California, Riverside, CA, USA


また、今年は開催終了いたしましたが、参考までに以下の学会もお知らせします。


2007 Invited Workshop on Pen-Centric Computing Research
・Date: March 26-28, 2007
・Location: Brown University, Providence, Rhode Island, USA


1st International Workshop on Pen-based Learning Technologies: Enabling advanced graphical, multimodal, and mobile learning interactions (PLT 2007)
・Date:May 24-25, 2007
・Location: Catania, Italy